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山手線で行ける未来ーーTAKANAWA GATEWAY CITY に行ってみた

先日、話題の新街区「TAKANAWA GATEWAY CITY」を訪れました。2025年4月にまちびらきを迎えたこのエリアは、「Global Gateway」というコンセプトのもと、世界とつながるイノベーションの拠点を目指しています。

なかでも心惹かれたのが、「100年先の心豊かな暮らしのための実験場」というビジョンです。

とはいえ、どんなまちなのか実際に見てみないとわからない……。未来の暮らしがどのように描かれているのかを確かめたくて、駅に降り立ち、まちを歩いてみることにしました。このレポートでは、現地で見つけた未来スポットや見どころを、少しご紹介したいと思います。

未来への入口、高輪ゲートウェイ駅

まず印象的だったのは、駅舎そのものの美しさ。建築家・隈研吾氏の設計で、日本の伝統的な「折り紙」をモチーフにした屋根が特徴的です。そこから差し込む自然光は、まるで障子越しのように柔らかく、駅全体にやさしい雰囲気を醸し出していました。
建材には福島県産の杉材がふんだんに使われており、木のぬくもりが感じられる、心地よい空間です。

2階から隈建築を堪能。改札内には子ども向けの芝生ソファ、窓の外には在来線と新幹線の姿

駅には非接触ディスプレイ型の案内AIも設置。コロナ禍の2020年頃開業らしい工夫

南口には1台だけの“スケルトン改札機”。磁気券の読み取りの様子が見えるレア体験

高輪の歴史を知っておくと、まちがもっと楽しめる

「高輪ゲートウェイ駅」という近未来的な名前には、実は歴史的な背景が隠されています。

江戸時代、高輪は東海道沿いの要所で、「江戸の玄関口=ゲート」として人や物が行き交う拠点でした。さらに、1872年には日本初の鉄道(新橋~横浜間)がこの地を通り、海沿いに線路を敷くために築かれたのが「高輪築堤(たかなわちくてい)」です。
この築堤は、2020年代の再開発中に発見され、現在は保存・公開に向けた整備が進行中。2028年度の一般公開を予定しています。

つまり、この駅は“新しいだけ”ではなく、日本の近代化の象徴でもあるのです。訪れる際には、そんな歴史にもぜひ思いを馳せてみてください。

駅の看板には珍しい明朝体のフォント! 和とグローバルの融合を感じるデザインなのか?

改札を出たら…未来を感じるスポットがたくさん!

駅を出るとまず目に入るのは、高層ビルと開放的な空間の絶妙なバランス。高層ビルが立ち並びながらも、広場や歩行者専用スペースがゆったりと設けられており、圧迫感を感じさせません。

象徴的な存在としてそびえ立つのが、「THE LINKPILLAR1 SOUTH/NORTH」のツインタワー。高輪ゲートウェイを象徴するこの建物群は、まちの未来像を体現するランドマークです。さらに、2025年秋には「ニュウマン高輪」や「マリオット・ホテル東京」の開業も予定されており、今後ますます注目が集まりそうです。

ここからは、ぜひ訪れてほしい注目スポットをご紹介します。一部は期間限定のものもあるので、気になる方は事前チェックをお忘れなく!

「100色の道」を歩く

駅前の広場でひときわ目を引くのが、建築家エマニュエル・ムホー氏によるパブリックアート《100色の道》。カラフルな柱が並ぶこの作品は、見る角度によって表情が変わり、まるで時の流れを可視化しているかのようです。

よく見ると、1本1本の柱には「2025年から100年先」までの年号が刻まれており、未来へのメッセージが込められています。まさに“未来を歩く”体験ができるこの場所は、驚くほどフォトジェニック。ぜひ写真や動画に収めて、記憶にも記録にも残したいスポットです。

ロボットやモビリティと出会う

ただ歩いているだけで、次々と未来のテクノロジーに出会えるのも、このまちならではの魅力。実証実験中のロボットたちが至るところにいて、まるでSFの世界に入り込んだような気分になります。

下の写真で紹介している以外にも、消毒作業ロボットや搬送ロボットなど、さまざまなタイプが稼働中。大人も子どもも、思わずテンションが上がってしまいますね!

フードデリバリーロボ:アプリで注文すると、飲み物をロボットが指定場所へお届け

警備ロボ:人とロボットが協働してまちの安全を守る未来がすぐそこに!

自動走行モビリティ:最大3名まで乗車可能で、歩行者デッキを回遊できる!

空飛ぶクルマ(1/3スケール模型):都市の交通が変わる日も近い?※展示物は常設ではありません。

未来体験シアターで感動する

「THE LINKPILLAR1」の地下2階にあるのが、180度の没入型スクリーンを備えた「TAKANAWA GATEWAY CITY 未来体験シアター」。映像、音楽、ストーリーが一体となった演出に、思わず引き込まれます。特に印象的だったのが、羊文学による書き下ろし楽曲「未来地図2025」。浮遊感のある映像とともに流れるその音楽は、まさに“心豊かな未来”を感じさせてくれるものでした。
上映は6月28日まで。非日常を味わえるこの体験、ぜひお見逃しなく!

期間:2025年6月28日(土)まで
時間:平日11:00~19:00 土日祝10:00~20:00
予約:無(当日整理券を配布)

予告からすでによすぎる!上映時にはヘッドフォンを装着して鑑賞。

またシアターの出口には、高輪ゲートシティの未来年表も展示されていたので、じっくり眺める。

未来の鉄道や暮らしを創造する

前述のとおり、高輪は“鉄道のまち”としての歴史も持ち合わせています。「THE LINKPILLAR1」の6階では、そんな背景を体感できる企画展「未来へつながる鉄道とまちづくり展」が開催中です。
150年前の鉄道の始まりから現在に至る暮らしの変遷、そして未来の鉄道の姿までが網羅されており、情報量も豊富で見応えたっぷり。たとえば「水素で走る列車」や「タッチレスで通過できる改札」など、実現間近な技術にもワクワクさせられます。
会期は6月28日まで。この貴重な機会に、ぜひ足を運んでみてください。

期間:2025年6月28日(土)まで※6月11日は休業
時間:10:30~17:30
予約:無(一部ワークショップにて予約有)

昔と今の高輪を比較できるプロジェクションマッピング

未来の展示も多く、パネルを見ているだけでもワクワクする

変わり続けるまちの、はじまりに立ち会う

今回のまちびらきは、TAKANAWA GATEWAY CITYにとってひとつの節目ですが、これは始まりにすぎません。今後も施設が順次オープンし、まちはさらに進化を続けていく予定です。この場所から生まれる新たな価値が、日本、そして世界の都市づくりに良い影響を与えることも期待されます。

訪れて感じたのは、未来の都市とは単に技術が進んでいるだけではなく、人の温かさや歴史とのつながりを大切にしている、ということ。

駅舎の柔らかな光、ゆったりした街並み、活躍するロボットたち、そして静かにたたずむ築堤——。それらが調和することで、未来への期待と共に、落ち着きと深みを感じさせる新しい都市の姿が浮かび上がっていました。これからこのまちがどんな物語を紡いでいくのか、未来へのヒントを探しに、また訪れたいです。

2025年秋には「ニュウマン」の店舗も続々オープン。「新しい人たちの方へ」というキャッチコピーがよい!

最後に、お土産情報も!

駅構内には、無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」の第1号店があり、ここでしか手に入らない商品も多数。私は「高輪ゲートシティ駅の香り」という入浴剤を購入!(どんな香りか気になりますよね……)

店員は一人もいません。未来のコンビニのスタンダードかも?
天井をみるとセンサーカメラがびっしり!
意外とお土産コーナーが充実していました!入浴剤のほかにも、マスキングテープやお菓子などいろいろ!
井上 薫

井上 薫

Futures Literacy Journal 編集者

編集・ライター 実用書の出版社にて書籍の企画・編集を行う。その後、福祉・介護系のメディアにてWebの編集・取材を担当。2022年にフリーランスとして独立。 趣味は、路上観察と喫茶店めぐり。 特技は、Excelと皿洗い。

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