未来をテーマに探究学習をやってみよう|5つの進め方・ワークシート

探究学習とは?

探究学習とは、身の回りや社会の中から「なぜ?」「もっと知りたい」と思う問いを見つけ、自分で情報を集め、整理・分析し、考えたことをまとめて表現していく学びです。

文部科学省では、探究の基本的なプロセスとして、

課題の設定 → 情報の収集 → 整理・分析 → まとめ・表現

という流れが示されています。
さらに、まとめて終わるのではなく、振り返りながら新しい問いへ進み、このプロセスを繰り返していくことも大切にされています。

ただし、この4つを毎回きれいに順番どおり進めること自体が目的ではありません。
調べている途中で問いが変わったり、まとめながらもう一度情報を探したりすることも、探究の一部です。文部科学省でも、探究の過程は繰り返されながら深まっていくものとして示されています。

「未来」は、探究のテーマにできる

では、何をテーマに探究すればいいのでしょうか。

この記事では、そのひとつとして「未来」を使ってみます。

未来には、まだひとつの正解がありません。
過去や現在を調べながら、「10年後はどうなっている?」「もしこんなことができたら?」「その未来では誰がどんな暮らしをしている?」と考えることで、調べることと想像することを行き来できます。

ここからは、未来予報がつくった「未来予報探検隊」のワークシートを使いながら、家庭や自由研究でも試せる5つのステップを紹介します。

STEP 1|過去・現在・未来を調べて、変化を見つけよう

まずはみんなで過去・現在と未来を俯瞰してみることから始めましょう。
年表のようにシートをまとめていきます。
作成にあたっては図書館で過去・現在・未来に関する本を探したり、科学雑誌を読んだり、インターネットで新しい発明や技術について調べてみるのも良いでしょう。未来は答えがないので「10年後の世界はどうなっているかな?」と、わくわくしながら探検するのがポイントです。
これはあくまでも、過去・現在という変化の時間軸をとらえながら、未来の変化に想いを馳せることを目的にしているので、いわば探検の事前準備のようなものだと考えて取り組みましょう。

STEP 2|「もしも?」から問いを広げよう

頭の中で時間軸の整理がつき、未来について柔軟に考えられる頭に切り替わってきたら、”もしも”エクササイズで子どもと対話をしてみましょう。
「もしも空を自由に飛べるようになったら?」「もしも動物と話せるようになったら?」といった質問を投げかけて、子どもと一緒に想像を膨らませていきます。正解も間違いもありません。自由に考えたり、アイデアを重ねることが大切です。そして最後には、お互いに「自分なりの答え」を出せた事を褒め合いましょう!
自分たちで「もしも」が思い浮かんだら最高ですが、難しい場合はサンプルのものだけでも、十分にエクササイズになります。
ここで大事にしたいのは、現在の”当たり前”に少しの違和感を持ってもらう鍛錬をしてもらうこと。
空が自由に飛べれば旅行スタイルが変わる{かもしれない}、もしも動物と話せるようになったらペットとの関係が変わる{かもしれない}など、そんないつもの前提を崩して世界を想像してみるエクササイズです。

STEP 3|調べたことから、未来の物語をつくってみよう

ある程度頭がほぐれてきたら、家族で未来のお話を作ってみましょう。例えば「2050年の私たちのまち」というテーマで、どんな建物があって、人々はどんな生活をしているのか、想像してストーリーを作ります。絵を描いたり、劇にしたりすると、より楽しくなります。
ここは未来の兆しや仮説の断片を、ひとつにまとめていく作業になります。大事になるのは「なんでこのまちを想像したのか」「このまちで何をしたいのか」など、自分の気持ちを入れ込んでいくことがポイントになります。丁寧に対話を重ねていきましょう。

STEP 4|未来に暮らす人の視点で考えてみよう

その未来の街では、どのような人が働いているでしょうか?自分、そして身近な人を「未来人」として、登場人物の設定のように構想していきます。例えば、未来の科学者、宇宙飛行士、環境保護活動家などなど。なりたい職業になりきって演じてみるのも面白いですね。
その時に「この未来人は何を考えているのかな?」「どんなことを大切にしているのかな?」と、未来人の気持ちや価値観を想像することで、様々な視点から未来を考えることができます。
もし行き詰まった場合は、「未来のしごと」カードをもとに、おとなが子どもに説明してあげるのも良いかもしれません。

STEP 5|未来から現在に戻って、今できることを考えよう

未来のまちの姿や、そこに生きる未来人の気持ちを自分事化できたら、少しずつ現在に戻ってきましょう。
未来に向けて、現在から自分ができることを考えていきます。例えば「きれいな地球を守るために、今日からできること」といったテーマやで話し合います。小さなことでも、未来への第一歩を自分で考え出すことが重要です。

ここまで進めたら、最初に考えていた未来と、いま見えている未来を比べてみましょう。

大切なのは、「どの未来が当たるか」を決めることではありません。いくつかの未来を想像してみることで、いま自分が当たり前だと思っていることや、大切にしたいこと、新しく試してみたいことに気づくことができます。

未来を答えとして覚えるのではなく、未来を使って現在を考え直してみる。 こうした姿勢は、Futures Literacyの考え方にもつながります。

探究するときに大切にしたい3つのこと

  • 子供の意見や想像を否定せず、むしろ「面白いね!」と褒めながら広げていきましょう
  • 「正しい未来」はありません。たくさんの可能性を探ることが大切です
  • 楽しみながら、創造力を育むことを心がけましょう

未来をテーマに探究してみよう|5つのワークシート

PDFでワークシートを用意しました。
小学校高学年以上を目安にしていますが、親子で対話しながら使うこともできます。

NEXT QUESTION

自分で探究するテーマをつくるとき、どんな「問い」から始める?

探究は、与えられた答えを探すことだけではありません。「自分は何が気になる?」から問いをつくると、調べることも、考えることも変わってきます。

ソガコウタロウ

ソガコウタロウ

Futures Literacy Journal 発起人

未来像{HOPE}をつくる専門会社 未来予報株式会社 aka VISIONGRAPH Inc. aka SXSW Japan Office の 共同代表。未来に関わるプロジェクトをデザインしたり、リサーチしたり、未来の予報を作ったりします。 乗り鉄 / キャンプ / サウナ / 音楽 / 旅行 / ヨガ / 家庭菜園 などが趣味ワード。HeとでもTheyとでもお呼びください!

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